九谷焼とは

実はとても謎めいた、
神秘的な焼き物です。

九谷焼は17世紀半ばに興り、
約50年で途絶えた古九谷がルーツです。
古九谷の優れた技術がなぜ途絶えたのかは
未だ不明であり、
その発色は再現が難しいともいわれています。
およそ100年を経て、
加賀藩の事業として金沢の春日窯で再興され、
後に能美市や加賀市へ広がり
九谷焼の窯が開窯されています。

緻密でありながら大胆で豪華絢爛な絵柄は、
加賀百万石の美意識を誇るかのようで、
明治・大正期には欧米人に好まれ、
ジャパンクタニとして輸出されていました。

近年、その流れをくむ作家らが、
さらに独自の個性をプラスし精密で
繊細な上絵付けを確立。
徳田八十吉氏や吉田美統氏が
人間国宝に認定されるなど、
技術の高さが証明されています。

現在では、若手作家が多く活躍しており、
普段使いのもの、
現代の食卓になじみ料理が映える器など、
手軽な九谷焼が主流となってきました。